アイスクリート/ICECRETE
地球環境に優しい新地盤凍結工法 [NETIS登録 KT-180037-A]
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自然冷媒を用いた凍結システムの必要性
2015年4月フロン排出抑制法が施行されるとともに、2015年12月パリ協定が国際的に合意され、あらゆる業界での温室効果ガス排出削減が課題となっています。当社は、このオゾン層破壊や地球温暖化緩和へ寄与するため、新たな自然冷媒として一次冷媒をNH3、二次冷媒をCO2とした凍結システムを確立し、実際の地盤凍結工事に適用しました。
アンモニア(NH3)/液化炭酸ガス(CO2)凍結システムによるICECRETE工法のメリット
- 自然冷媒を使用することから、地球温暖化緩和へ寄与します。
- 二次冷媒に液化炭酸ガス(CO2)を用いることにより、液化炭酸ガスの気化潜熱が利用でき、従来のブラインでは-30℃にしか設定できなかった冷却温度が-45℃まで設定可能となります。
- 液化炭酸ガスの流量が従来のブラインの1/10となり、ポンプ負荷の低減等から全体システムの消費電力が従来の6割程度となります(当社実験値より)。
- 液化炭酸ガスを用いることで、凍結管、配管のサイズダウンが可能となり、作業の効率化を図ることができます。
- 配管作業を含め、全体工期の短縮を図ることができます。
工法原理
二酸化炭素は大気圧下では-80℃でドライアイスとなり、液体の状態では存在しません。配管内の圧力を0.7~1.5Mpaとすることで、温度を-45℃~-30℃において液体の状態で存在し、沸騰線に沿って状態変化します。つまり液体の二酸化炭素は地盤の熱で気化します。この二酸化炭素の気化潜熱で地盤から熱を奪うことができることから、ブライン方式と同程度の熱量を奪うための流量を従来より少なくすることができます。
施工実績
北海道電力石狩湾新港発電所1号機新設工事では、内径4.7mのシールドトンネルである放水路トンネルの到達防護としてICECRETE工法が採用されました。当工法を採用することにより、凍結プラントの縮小化を図り全てのユニット幅を1.2m以内に収め、シールドマシン解体に必要なバッテリーロコの通過が可能になりました。さらに、狭小空間での配管作業等の簡便性、凍土造成日数の短縮についても従来のブライン凍結に比べて優位性が得られるとともに、温室効果ガス排出量は従来の50%程度となりました。