ヒートポンプ
CO2による未利用エネルギー活用システム。
工法の特長
- 一般的な空気熱源のヒートポンプと比較して、ランニングコストを削減できます。
- 採熱・放熱に潜熱交換が可能なCO2を利用することで、単位面積当たりの採熱・放熱量が増大します。
- 熱源(地中・貯水槽・給排水管)に設置する熱交換パイプをコンパクト化でき、初期コストも安価です。
- 熱源の温度が30℃でも効率よく冷房運転が可能です。(亜臨界状態のCO2の特性を利用)
- 暖房ではCO2が自然循環するため、CO2ポンプが不要となり、さらにランニングコストを削減できます。
※ヒートポンプとは、熱媒体を用いて低温部分から高温部分へ熱を移動させる技術で、夏は冷房、冬は暖房に用いることができます。
一般的なシステムとの比較
一般的なヒートポンプで冷房を行う場合、室内の熱をヒートポンプを介して外気に放出しますが、外気温度の高い夏の時期は放熱の効率が低下し、冷房ができなくなるケースも発生します。
当社のヒートポンプは比較的温度が安定した地中や貯水を熱源とするため、外気に放熱するよりも効率が上がります。
また、CO2の気体から液体に状態変化する際に大量の熱を放出する特性を利用することで、さらに効率を高めます。
「CO2ヒートポンプ」と一般的に呼ばれるものは、ヒートポンプ内部の冷媒にCO2を用いるものであり、当社のシステムとは異なります。
基礎実験
NEDO 平成21年度イノベーション実用化開発助成事業にて実施
従来の地中熱ヒートポンプシステムよりも埋設管長が1/2~1/3に短縮し、COPが約2倍となることを確認しました。
また、貯水を熱源とすると、2~7mの熱交換パイプで高い能力を得られることも確認しました。
想定適用例1
想定環境条件である、夏の最も暑い時期にトマトを栽培する場合、ヒートポンプに必要な冷房能力は20kWとなり、外径φ48.6mmの熱交換パイプの全長は40mとなります。
熱源として容量25㎥の貯水タンクを使用しております。
内部にはCO2が循環する熱交換パイプが配管されております。
想定適用例2
地下ダムの水温は安定しているため、ヒートポンプの熱源に適しています。
地下ダムから汲み上げた水はファームポンドから各農家に分配されますがこの配管に熱交換パイプを設置すれば効率よく冷暖房運転が行えます。
表のように潅水配管が8インチ(φ216.3mm)で満水状態であれば、φ48.6mmの熱交換パイプ40mで冷房効力20kWを賄えます。