アイスクリート®

2015年4月フロン排出抑制法が施行されるとともに、2015年12月パリ協定が国際的に合意され、あらゆる業界での温室効果ガス排出削減が課題となっています。当社は、このオゾン層破壊や地球温暖化緩和へ寄与するため、新たな自然冷媒として一次冷媒をNH3、二次冷媒をCO2とした凍結システムを確立し、実際の地盤凍結工事に適用しました。

ICECRETEが地球環境に与える影響を把握するために、温室効果ガス排出量などの環境影響を評価・開示しています。定量評価したICECRETEの環境影響は、SuMPO環境ラベルプログラムにて第三者検証を受け、ISO14025に準拠したEPD*を取得しています。

　EPD登録番号：JR-BX-24001E
　EPD公開先     ：https://ecoleaf-label.jp/epd/1872

 *EPD（Environmental Product Declaration）とは、環境製品宣言とも訳され、環境情報の第三者検証・公開を行う枠組みのことを指します。SuMPO環境ラベルプログラムは、一般社団法人サステナブル経営推進機構が運営する日本で唯一のEPDプログラムとなります。

• 自然冷媒を使用することから、地球温暖化緩和へ寄与します。当社が独自に実施した試算によると、ICECRETEの温室効果ガス排出量は、フロンを用いる従来工法に比べて、約30%の削減が見込まれる結果となりました*。
• 二次冷媒に液化炭酸ガス（CO2）を用いることにより、液化炭酸ガスの気化潜熱が利用でき、従来のブラインでは-30℃にしか設定できなかった冷却温度が-45℃まで設定可能となります。
• 液化炭酸ガスの流量が従来のブラインの1/10となり、ポンプ負荷の低減等から全体システムの消費電力が従来の6割程度となります（当社実験値より）。
• 液化炭酸ガスを用いることで、凍結管、配管のサイズダウンが可能となり、作業の効率化を図ることができます。
• 配管作業を含め、全体工期の短縮を図ることができます。
  *試算は当社が独自に実施したもので、EPDの情報ではありません。削減率に関する一切の
    情報は、SuMPO環境ラベルプログラムでの第三者検証は受けておりません。

二酸化炭素は大気圧下では-80℃でドライアイスとなり、液体の状態では存在しません。配管内の圧力を0.7～1.5Mpaとすることで、温度を-45℃～-30℃において液体の状態で存在し、沸騰線に沿って状態変化します。つまり液体の二酸化炭素は地盤の熱で気化します。この二酸化炭素の気化潜熱で地盤から熱を奪うことができることから、ブライン方式と同程度の熱量を奪うための流量を従来より少なくすることができます。

北海道電力石狩湾新港発電所1号機新設工事では、内径4.7mのシールドトンネルである放水路トンネルの到達防護としてICECRETE工法が採用されました。当工法を採用することにより、凍結プラントの縮小化を図り全てのユニット幅を1.2m以内に収め、シールドマシン解体に必要なバッテリーロコの通過が可能になりました。さらに、狭小空間での配管作業等の簡便性、凍土造成日数の短縮についても従来のブライン凍結に比べて優位性が得られるとともに、温室効果ガス排出量は従来の50%程度となりました。