雑感

マグニチュード (2)

マグニチュードの値は、震源での地震のエネルギーの指標ですが、これは、地震計のゆれの大きさから設定されました。先稿でご紹介したリヒターは、(ある特定の)地震計を使い震央から100kmの距離で記録したゆれの半分の幅(片振幅)が、0.001mm以下である地震をマグニチュード「ゼロ」、そして、その10倍の0.01mmを「1」、以下同様に、振幅が10倍大きくなる毎に、マグニチュードを1ずつ増やすとして、マグニチュードを設定しました。このような、地震計の振れ幅からマグニチュード決める(地震のエネルギーを求める)方法は、現在使われているほとんどのマグニチュードでも同様です。

さて、地震のエネルギーですが、ジュール(J)という単位で表します。1ジュールは、単一乾電池1個(約100g)を1m持ち上げるエネルギーに相当します。マグニチュード1は、200万ジュール、これは、一台約1.6トンの自家用車125台を、一度に1m持ち上げるエネルギーになります。

マグニチュードが1上がる毎に、エネルギーは31.6倍ずつ大きくなります。例えばマグニチュード5(M5)は、M1の99.7万倍(31.6X31.6X31.6X31.6)の1兆9900億ジュールになり、1億2400万台の自家用車を1m持ちあげるエネルギーになります。マグニチュードの増加と共に、地震エネルギーが爆発的に大きくなることがわかります。ただ、マグニチュードが1上がる毎に、地震のゆれ幅も10倍ずつ大きくなるので、M5のゆれ幅がM1の1万倍(10X10X10X10)になることにもご留意ください。ゆれ幅が2倍の場合の、エネルギー増を試しに計算してみると、2.83倍なので、見方によっては、これはそれほど驚くことではありません。

地震のエネルギーをジュールで表してもピンとこないので、マグニチュードと同等エネルギーを発生する例を引用します。(Wikipediaより)

最後に、マグニチュードという英語は、「規模」とか「程度」いう意味で、地震のほかにも、日食の程度や、星の見かけの明るさを示す指標(○等星の等)として使われています。リヒターも、星の明るさの指標のマグニチュードから、地震の強度を表すマグニチュードを思いついたそうです。ちなみに一等星はA star of the first magnitudeです。

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