雑感

地震と地盤

弊社は、地下の総合エンジニアリングをめざす地盤の専門会社として、地盤改良、山留め、岩盤処理、土壌汚染除去等のサービスを提供させていただいています。近年、地震の災害と予防対策が、社会的に大きな問題になっており、様々なメディアを通じて、一般家屋やマンションなど、「建物」の耐震診断や耐震方法などは、容易に知ることができます。しかし、地震の被害には建物の地盤が大きく関わっていることはあまり知られておりません。 

以前は、地下鉄やトンネルなど、地中構造物は地震に強いと考えられていました。地上の構造物と違って地盤と一体化してゆれるので、局所的に大きな力がかからないからです。しかし、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)では、地下鉄の駅が一部つぶれ、また、新潟県中越地震では新幹線魚沼トンネルなど、多くのトンネルが被害を受けました。これらのことから、改めて地盤の地震時の重要性が認識されています。

そこで、皆様に地震と地盤の関係を少しでも知っていただきたいと、「地震と地盤」という単語の結びつきから連想される雑感を掲載することにしました。内容が、時に情報を寄せ集めるだけに終わる場合もありますが、浅学菲才の筆者の事ゆえ、ご容赦いただきたく思います。
「地震」にとっての「地盤」は、大きく「地震の伝播媒体」と「災害を引き起こす(ゆれ)媒体」と二つの役割を持っています。「地震の発生源」としての役割も考えたのですが、これは当てはまらないようです。土木用語大辞典によれば、「地盤は構造物を置いたり、構造物の基礎や掘削等の対象となる地球の表層部分、一般に土及び岩から構成されることが多く、近年はごみや廃棄物等からなるものもある。地盤には自然地盤、造成地盤、複合地盤がある。」つまり、地盤の範囲は、社会と直接的な係わりのある、地殻の極浅い表層部を示し、地震の発生源となる深度(数km以深から670kmまで)を含まないのです。

写真引用元:武蔵工業大学「地震被害に学ぶ」長岡科学技術大学「鉄道被害」

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