日本は、世界中で発生する地震の1割から2割が発生すると言われる地震大国です。たとえば、地震の発生件数は、軽微なものも含めると実に5分に1回の割合になるといわれています。(東京大学地震研究所)。
東海、東南海、南海地震が差し迫った地震として有名ですが、そのほかにも東北から関東にかけて、大規模な地震が発生することが危惧され、早急な対策が望まれています。
地下水面より下で、粒子の大きさがそろったゆるい砂地盤では、地震によって地盤が液状化することがあります。液状化が起きると、砂粒が地下水中でばらばらに浮いた液体のような状態になり、建物を支えることができなくなります。さらに、地震後は地下水が分離して地表に噴出するので、地表面が陥没したり動いたりすることがあります。建物が直接基礎で建っている場合は、地表面の変状の影響により、建物が傾いたり(不同沈下)転倒したりすることがあります。
地盤の液状化による建物の転倒
地震はいろいろな周期と大きさの「ゆれ」が混ざり合っています。また建物や地盤は、それぞれが固有の揺れやすさ(固有周期)を持っています。このため、地 震が発生すると、建物と地盤がそれぞれ異なったゆれ方をし、杭に損傷が発生することがあります。損傷は、建物と杭の接続部で発生する場合が多いのですが、 地中の異なった層の境目で発生することもあります。杭は、地盤により横方向から支えられて、建物の荷重を支えています。地盤が液状化すると、この横方向の支えがなくなるので、杭がフラフラした状態になり、損傷を受けることがあります。